今日も君に翻弄される。

もし間違って覚えていたのだとしたら、和泉くん大好き、とか自認している割りに、彼女としての意識がいささか足りなすぎる。


混乱の中でわたしは和泉くんを見つめ。


果たして、和泉くんは首肯した。


「確かに僕はブラック派。甘いコーヒーなんてただの茶色い液体でしかない。飲むに値しない愚物だ」

「そこまで批判しなくてもいいと思うよ!?」


えええ、コーヒーってこんなに欠陥品だったっけ。


首をひねるわたしは放置された。


ものすごく渋面になって、嫌そうに砂糖を見る和泉くん。


でも、と呟いて、まごついたのが珍しい。