今日も君に翻弄される。

準備を進める和泉くんとひたすら見つめるわたしの関係性がやっぱり気になるのか、後輩さんがまばたきした。


「え、実験するんですか? ってか俺ら、もしかして邪魔ですか」

「そんなことないよ、こっちこそ邪魔してごめん」


いえ、と揃って首を振ってくれる皆さん。優しい。


「すみません、実験ならあっちでできるから、実験すると思ってなくてびっくりして」

「うん、そうなんだけど」


和泉くんが若干恨めしげに作った瞳をわたしに固定。


「この人が白衣着てとか言うから、表ではやりたくなくて」

「あー……」


……納得なんだ。

そこ納得しちゃうんだ。


こうも揃ってひどく遠い目をされると、和泉くんの大変っぷりが察せるというもの。


「…………すみません」


ううう、わがままを言っている自覚はあるのだ。


「あ、俺らはいいですよ!」

「そうそう! 暇してるだけだし、邪魔なんかじゃないですよ」

「すみません、ありがとうございます」


優しい皆さんに、大げさすぎないくらい、軽く頭を下げる。


和泉くんも、アルコールランプを調整しながら。


「僕も、別にいいよ」


いつも通りな、優しい肯定をくれた。