今日も君に翻弄される。

固い決意に拳を握ると、和泉くんが一つ首肯。


「分かった、じゃあ行こう」

「あ、手あいてる奴らいますけど大丈夫ですか?」

「いい?」


後輩さん情報をありがとう、

足を止めて確認してくれた和泉くんありがとう。


二人とも優しい。


「うん、いいよ! 和泉くんは?」

「僕もいいかな」


部長さんなんだから、和泉くんは手があいている人たちが分かるはずだ。


全員を覚えていないにしても、大体何年生が何人、くらいは分かる。


ましてや、和泉くんが管轄の、自分で割り振ったシフトを覚えていないわけがない。


和泉くんが反対しなかったんだもん、和泉くんのお墨付きをもらったって考えて間違いないはず。


「よし、行こう!」


胸を張って宣言すると、和泉くんが呆れた溜め息をこぼした。


「はいはい」


人がいたって気にするもんか。


わくわく、うきうきしながら歩き出す。


カルメ焼き!

べっこう飴!

和泉くんの白衣!


ついに、夢の実験ができるのだ。