今日も君に翻弄される。

佐竹さんも、店員さんも、制服の上から白衣を羽織って活動していた。


和泉くんも実験するなら着てくれるかなあ、と考えたのだ。


だって白衣だよ。

和泉くんの白衣だよ。


想像の時点でかっこいいのだから、実際はもっとかっこいいに決まっている。


和泉くんと若干おかしな会話を繰り広げている間に、室内のお客さんが、どんどん実験を終えて帰っていく。


わたしたちがうるさいからではないと思う。


うるさかったら嫌がられるし、お客様、って店員さんに言われるもん。


でも。


お客さんは減っても、店員さんたちはいるのに、何だか異様に静かだ。


不思議なほどの気配のなさに周囲を見遣れば、部員さんたち全員が、何故だか。


わたしたち、特に和泉くんを凝視して、作業する道具を取り落しながら。


ぽかんと口を開けて、固まっていた。


「えーっと……」


首を傾げて、和泉くんに質問。


「和泉くん、この状況はどういう……」

「ああうん、ちょっと」

「そう?」


聞いてもはっきりと答えてくれない。


教えたくないらしい。


無理に聞き出したいほど疑問なわけではないから、まあいっか、と気にしないことにする。