『大丈夫だよ!』


和泉くんに移したくない。

移すのは、嫌だ。


回避しようと強めに断りを入れたわたしに、すぐに返事が来る。


『僕こう見えて結構丈夫だけど』


青白くはないけど、和泉くんは一般的に見て、やっぱりちょっと白い。


日焼けなんか気にしたことがないくせにあんな白さって、ちょっとずるいと思う。


そして、色の白い和泉くんは、その白さに反比例して健康的だ。


風邪引かないし、病院にほとんど行かないし、まずもって調子が狂うことが滅多にない。

怪我もしないし。


うらやましい限りの健康度を誇る和泉くんに、ただいま絶賛風邪引き中の脳を奮起して、頑張って反論してみる。


『でもわたし和泉くん大好きだから、わたしの風邪菌ならしつこくつきまとうかもしれないし!』

『(なんて非科学的な……)』


和泉くんの返信がない。


呆れてるのかもしれないけど、とりあえずもう一押し。


『祈ってくれたらいいから!』

『何を』

『わたしの回復をこう、念力的な何かで』

『(なんて、非科学的な……)』