今日も君に翻弄される。

いつもは若干早口な和泉さんのゆっくりした口調。


ほのかに染まる目元。


見つめる、切れ長の瞳。


変わらず涼やかな人が、わたしを見ていた。


強いまなざしで、わたしを見ていた。




……なんかすごいこと言われた気がする。


「つまりさ」


固まるわたしを待ってくれる気はないらしい。


主張を止めない和泉さん。


まばたきすらできずに、息を飲む。


「僕と付き合ってくれませんか」


音を失った世界は唐突に喧騒を取り戻して、今しがたの言葉が頭を占める。


占領して止まないそれは一瞬意味を持たなかった。


次第に音を理解して、


意味を飲み込んで、


わたしがやっと返事をできるようになるまで、和泉さんは静かに黙っていた。