「今日は重ね重ねすみません」
「いいえ。でも今朝連絡が来て驚きました。珍しいな、と」
というか、初めてですね。楠さんとのやりとりは。
続いた言葉に、少し不安になる。
やっぱり迷惑だったかな。
おずおずと伺ったけど、その口元を見る限り、どうやら違うらしい。
「何を送ったらいいのか分からなくて」
とりあえず発した言葉を聞いても、少し上がった和泉さんの口角は変わらなかった。
「でも、せっかくの記念すべき初回があれなんだったら、もう少しましなものを送っておいたらよかったです」
失敗しました、と反省するわたし。
いえ、こちらこそすみません、と和泉さんは首を振った。
「僕も何を送ったら良いのか分からなくて。言い出したこちらがそんな体たらくではいけないとは思ったんですが」
やはり分かりませんでした。
言葉尻に滲む自分を責めるような雰囲気に、戸惑う。
和泉さんは悪くない。
と、いうか。
……和泉さんにも分からないことってあったんだなあ。
いつも冷静沈着で、問いかけには何かしら返答があって、芯が強くて。
問題を問題とも思わずに、軽々乗り越える。
そんな印象ばかりだったから、瞬きを繰り返す。
……和泉さんにも、分からないこと、あるんだ。
新たな発見が密やかに脳内を一巡りした。
「いいえ。でも今朝連絡が来て驚きました。珍しいな、と」
というか、初めてですね。楠さんとのやりとりは。
続いた言葉に、少し不安になる。
やっぱり迷惑だったかな。
おずおずと伺ったけど、その口元を見る限り、どうやら違うらしい。
「何を送ったらいいのか分からなくて」
とりあえず発した言葉を聞いても、少し上がった和泉さんの口角は変わらなかった。
「でも、せっかくの記念すべき初回があれなんだったら、もう少しましなものを送っておいたらよかったです」
失敗しました、と反省するわたし。
いえ、こちらこそすみません、と和泉さんは首を振った。
「僕も何を送ったら良いのか分からなくて。言い出したこちらがそんな体たらくではいけないとは思ったんですが」
やはり分かりませんでした。
言葉尻に滲む自分を責めるような雰囲気に、戸惑う。
和泉さんは悪くない。
と、いうか。
……和泉さんにも分からないことってあったんだなあ。
いつも冷静沈着で、問いかけには何かしら返答があって、芯が強くて。
問題を問題とも思わずに、軽々乗り越える。
そんな印象ばかりだったから、瞬きを繰り返す。
……和泉さんにも、分からないこと、あるんだ。
新たな発見が密やかに脳内を一巡りした。


