「あの、これ、前回と同じになってしまいますが、お礼に」


自分で差し出したクッキーに自分で内心首を傾げつつ、思う。


……というかこれ、いつまでやるんだろう。


多分このままだと、お礼にお礼を重ねて終わらない気がする。


どこかで切るべきなのは分かってるんだけど、でも、わたしからやめたら何か悪い気がするしなあ……。


とりあえず手を伸ばしたまま待機するわたしに、和泉さんは礼儀正しく微笑む。


「ああいえ、お構いなく」


緩く首を振られて、眉が下がる。


「えっと、でも」

「ではこうしましょう」


和泉さんは実に冷静に提案した。


「宜しければ、宜しければで良いので、連絡先交換しませんか」