今日も君に翻弄される。

そんなことがあって。

今、和泉くんに絶賛説明中。


「というわけでして……」

「へえ」


和泉くんはどことなく様子が違う気がする。


ええと、うーんと。


「怒ってる?」

「何で?」


一緒に帰りつつ伺うと、あっさり聞き返した和泉くん。


怒ってるわけじゃないらしい。


「お母さんにバラしちゃったのが嫌だったのかなって思って」

「それを言うなら僕の方が早くバレた。違うよ」


ただ、といくぶん控えめにつけ足されて身構える。


なあに、どうしたの。


「提出、してくれないんだなって思って」


え。


固まるわたしとは対称的に、和泉くんは余裕そうな様子。


え、と速まる動悸のまま見上げて、目が合って、

少し、どもる。


「提出して欲しいですか……?」


まあ気にはなるよね、と頷かれてさらに視線が泳ぐ。


「僕も葵にあげるから、してよ。提出」


して欲しくなさげにしか見えない通常モードで、和泉くんは珍しくお願いをした。