「おかーさーん」

「んー?」


なあに、と振り返ったお母さんに、事情を説明。


かくかく、しかじかなのですよ。


「どうしたらいいかな」

「お菓子でいいんじゃない?」


まさかのお菓子肯定派……!


「でも、お菓子だよ、お菓子。怒られないかな」


一番の心配事を伝えるも、全然動じない。


「大丈夫よ、多分」

「でも、」

「一番好きなものなんです! って力説すればいいじゃない。納得してくれるわよ」


という言葉を信じてわたしはレポートを完成させた。


……お、怒られたら書き直そう、うん。


さすがにしないけど、


わたしの好きなもの、といったら、最近もっぱら和泉くんが頭に浮かぶ。


もし、もしも、だよ、お菓子じゃなく和泉くんなら……。


和泉くんについて書くとすれば。


何を、書こうか。


わたしはわくわくしながらシャーペンを握った。