「…………」


変な夢を見た。


何で溺れてるのわたし、夢でくらい泳げたっていいのに、むだにリアルな夢だった。


くそう……。


自分の現実主義な大脳を恨んでいると、あることに気づいた。


もしかして、もしかしてあれかな。


わたしが溺れないと和泉くんが助からないのかなあ。


そうだよそれだよ。

原作では泡になるのに、わたしだけ幸せなんてずるいもんね。


そうかあ、泡かあ……。


きっとわたしは泡になろう。

何度だって泡になろう。


絶対絶対、和泉くんに生きて欲しいよ。


和泉くんがいないなんて世界の損失だよ。


ねえ、和泉くん。


わたし、


『泡になるよ』


よーし、いい夢(?)見た。


と、起床したわたしが、和泉くんの静かな雷とお説教を食らうまで、


あと、少し。