今日も君に翻弄される。

でもね、和泉くん。

でもだよ。


わたし、こんなきらびやかなお店だなんて聞いてないよ……!?


会場は、和泉くんが考えるだけあって、遠目からでも恐ろしくおしゃれな装いのお店だ。


どうしよう、わたし制服だよ。


制服回避案として、正式なドレスコードが分かるのかと問われれば、そんな滅多に使わなくて難しいものは全然分からないけど、
勘でも何でも、とにかく大人っぽくて正装っぽい服でいいから。


ドレスでも着ておいた方が、制服よりはまだ入りやすかったんじゃないのかい……!?


「和泉くん、わたし、気後れしてきたよー……」


唯一の救いは、和泉くんも制服で、多分二人とも制服を着ているからちゃんと組に見えるだろうってことだ。


ううう。


こんなにおなかが痛いのに、ケーキは味がするだろうか。


できれば砂じゃなくて、ちゃんと美味しくて甘いと嬉しいんだけど。


キリキリするおなかに手を当てて唸るわたしを認め、和泉くんが爆弾を落とした。