「…………いる」


若干あいた間を気にしたのだろうか。


はい、と、急いでチョコを渡された。


もぐもぐ、もぐもぐ、三つ続けて食べたところで、


「食べさせて」


なんて思いついたように言った和泉くん。


くそう。待ってるの可愛い。


でもだまされちゃいけないよ、わたし……!


我慢しよう。我慢。


だってわざとだ。


わたしが照れるの分かってて言ってるんだから、この人は……!


「やだ!」


負けそうになったけど踏ん張って、やだ、と主張し抵抗したものの。


結局口論では勝てず、可愛さにも勝てず、最終的に軍配が上がったのは和泉くん。


仕方がないので食べさせる。


いいもんいいもん。わたしだって食べるからいいんだもん。


手を伸ばしたところ、促されたので口を開けて待機する。


「ん」

「至福じゃー……」


やっぱりチョコは美味しかった。




食べさせてもらう。食べさせる。


と、いう感じで、チョコをときどき食べながら、ゆっくりまったり過ごしましたとさ。まる。