鬱蒼とした――という山ではなかったけれど、昏いことには変わりない。 意識はどこへ行っていたのだろうか。 ぼうっとし過ぎていたが、まずいことをしたという意識にはならない。 帰り道を憶えていなくても問題はない。 少しの間、更にぼーっと満月に近い月を見上げ、何となく腰を下ろした。 このところ雨は降っていないので、枯れ葉は乾いていた。 カサカサと音がする。