「なー涼音。お前どこであんな口説き覚えたの」 「は?」 「口説きって、どれ?」 図書館の一角。 それぞれに書架に向かっていたところ、ふと麗音が言った。 いるのは涼音と一叶。 勉強好きの三人は、何となく図書館で一緒になることが多かった。 今日は苺花と多透も来ているのだが、苺花はファッション雑誌、多透は漫画を読み始めてしまった。 そう何度も怒るのも嫌なので、頃合いを見て一喝入れに行く気でいる涼音だ。