口の中が痺れて声が出ない。
キクカワがクッキーの中に薬を仕込んだのかもしれない。
くっそ、そういえば私の後ろにいたキクカワがクッキーを手にしてはいたけど、食べたかどうかは分からないし。
やられた。
加穂留………
「サトミサマ、大丈夫ですか?」
「……………」
「ああ、そうですね、声が出ないんですね」
「……………」
「さ、これを飲んでください」
水。
ペットボトルの水を手渡され、勢いよく一気に流し込んだ。
口の中のパサつきはなくなったが、あいかわらず痺れていて、怖い。
口の中が痺れるなんてことは今までになかったから、それが不安で、焦りになって、怖い。
怖すぎる。

