殺してあげる


「ほら、君はそういう勉強をしてたでしょう? 
死後の世界とか、死ぬ瞬間に思うこととか、魂のこととかいろいろな宗教のこととか、そういう本、図書室で読み漁ってたでしょう?」

「なじぇ、しょれお………」



「あ……ああ、あれ、そうか、気づくのが遅れました。
早かったですね。もう回ってきましたか? 薬。
そうやって意識を保つの、大変でしょう?」

「……………」

「大丈夫、すぐに楽にして………」



「キクカワ!!!」



怒声にびくりと体を震わせ、声の方を向けば、そこには怒りのオーラを身体中に纏っている加穂留がいて、

ペットボトルの飲み物を両手に持ったまま仁王立ちで睨み付けている。


キクカワは私に回した腕を一瞬で離し、直立不動で立ったまま動かない。


「どけ」


加穂留の低い声にキクカワはガタガタと椅子にぶつかり、距離を置くように慌てて遠ざかる。



なんなの。なんなの。なんなの。

加穂留のほうが確かっていうか、信頼できるの?

なんなのこの人たち。何をしてるの。

私、どうなっちゃうの。

キクカワという人を間違えて見てたんだ。

こいつ、まともじゃない。

ただ、ちょっと格好よくて、悲しそうなオーラがあって、だから、なんとなくそれに惹かれてただけで、




こいつ、中身は………