もがくな。 もがくと更にやられる。 思い出した加穂留の言葉通り、力を抜いた。 が、引きずり込まれるのは変わらない。 苦しさに耐えられなくなりそうになったとき、サメの口が開き、足を抜き出すよゆうができた。 血を垂れ流しながら海面に向かって泳ぐ。 光がまぶしく、そこへ到達したら助かるんじゃないかという希望がみえた。 ふと、片足が軽くなった。 力が入らない。 蹴る力もどんと落ちた。が、そんなことを気にしているわけにはいかない。 顔を海水から出さないと。 息が………