「ナカノユウダイ
シニカタ『歯』
シッコウシマス」
機械的な加穂留の声には温かみがない。
直後、ギギギと鉄が擦れる音が頭上から聞こえ、俺の入っている檻がガタリと左右に揺れた。
足に冷たい感触。
海水が足を舐めるように滑り、床を水で滑らせた。
ドボンと海に勢いよく落とされ、一気に全身が海の中へと潜る。
耳に届くのはゴーゴー唸る水の音。
一度沈んだ檻は、反発するように海面へと弾き飛び、丁度俺の胸から上が海面に出る位置で浮かび続けていた。
動くようになった体に声が出るようになった喉。
無我夢中で加穂留の名前を叫び続けた。

