殺してあげる


シッコウの日。

その日、昼過ぎまで加穂留とキクカワは出てこなかった。

水をくれと叫んでも、なんの返事もない。

あいかわらずサメは朝方から檻の下に現れ、くるくると回り続けている。


だめだ、喉がかわいた。

水が、水が欲しい。

水を飲ませてくれ。

体が日焼けでひりひりして痛い。熱い。痒い。

塩水をつけると更に焼けて、痛い。

声を出す気力もなくなってくる。




「おはようございます。よく眠れましたか?」



諦めかけたとき、加穂留の声が聞こえ、コップになみなみ入れられたオレンジジュースを差し出した。

それを奪うように取り、一気に飲み干す。

次に出されたのは、麦茶だ。

オレンジジュースを飲むと喉が乾きますから、これで喉の甘さを流してくださいということだ。

もちろん、それも一気に流し込んだ。

最後に水を、氷水を二リットルのペットボトルに2本。

受けとると迷うことなく頭からかぶった。

冷たさに息が止まったが、お構い無しに頭にかぶり、髪を荒い流し、海パンの中にも流し込んだ。