殺してあげる


サメに触るとか、ありえねえだろ。なんなんだ……

なんだこいつらは。


鼻先を触られたサメは体を左右に大きく揺らし、海の中へ消えていった。


「ユウダイサマ、ちゃんと見ましたね?」
「見たけ……ど、な、な、な、なんなんだよあれあれは」

「………サメです」


そうじゃねえ……


なんであんなことができんだよその男は。





「いいですか、何回も言ってますが、これからレクチャーしますよ。ちゃんと聞いていてくださいね」
「い、い、い、いらねえよ」
「生き残れるかもしれない方法なのに」
「じゃ、そそそんなことしないで今すぐ助けろよ! ふふ船の中に上げ上げ上げてくれよ!」

「キクカワがやったように、サメの……」
「ここここから、出せって言ってんだよー!!!」

「鼻先を触るとサメは逃げます」


無視だ。


サメの鼻先を触るとサメは逃げます?


「それが身を守る方法」

加穂留は完全に俺を無視しているが、助かる術を教えてくれた。


なぜだ。


確かにさっきキクカワがやっていた。それを俺に見せてどうすんだよ。


生き残れるかもしれない?

そんなことができるのか?


サメの鼻先を触る。


それだけで?