殺してあげる


加穂留とキクカワは自殺希望者を探しだしては自分たちのところへ引っ張り出して、更生させるのがその仕事だということだ。

そこで最初に私たちが行ったあの訳の分からないパークから既にプログラムが始まっていた。

どんなことをしているのかは詳しくは言わなかったようだけど、最終的にあのサイトへたどり着いた人たちにコンタクトを取ってあのよく分からない最初にやった問題のところへ引き込む。

そこで選んだシニカタで自分が死ぬシミュレーションをさせて、死ぬことの苦しさ、自殺することの無意味さを私たちのように脳内で経験させて、目覚めさせて本当に死にたいかどうかの選択をさせる。

人生において、死ぬことは選択不可能だ、
つまり、選択しなくても必ず起こりうることだから。

生きることを選択することはできる。

頑張って生きるか、
がむしゃらに生きるか、
なんとなく生きるか、
楽に生きるか、
目立たないように生きるか、

それを選択することは自由だ。


本当だったら私は殺されていた。
でも、運よく助かることができた。


「ほんと、運がよかったんですよサトミさんは。じゃなければ今頃はあの女と同じでしたよ」
「あの女?」
「ほら、木にくくられてたのいたでしょ。あれと同じ運命を辿ってたってわけ」


山で見たあの女、あれは本当のことだったんだ。

ということは、私と同じことをしてああなったってこと?

私もああなる運命だったの?