殺してあげる



飛び起きた。

頭を触り、頬を叩き、自分の首をしっかりと掴んだ。



「私……生きてる」


見たことのないベッドに着たことのないパジャマを着て、白いローテーブルは買った覚えすら無い。

布団から抜け出し、ドアに向かう。白いドアはうちのものじゃない。

でも、開け放たれたままのクローゼットには自分の服がかかっていて、置いてある物は自分のもの。

ミラーに映る自分の顔はいつもと変わらない。


このドアを開けたらきっと答えが待っている。


もしかしたら死んでいるのかもしれない。

もしかしたらまだあの悪夢から逃げ出せていないのかもしれない。

どうなってるんだろう。私はあの時、あの車の中で確かに……


唾を飲んで、ドアに力をこめた。