殺してあげる


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私はキーボードに指を乗せてぱちぱちと音をたてる。

それをキクカワはじっと見ていて、打ち終わると目を真ん丸くして私の目をじっと見る。


「キクカワ、そういうことだから、まだあんたは自由にはならない」

私の言葉にキクカワはパソコンを持つ手に力をこめる。

みるみるうちに険しい表情になり、私を睨む。

でも、私には何も出来ない。

三人にむけて怒りを露にし、ナイフをチャッと音をたてて手に握った。

今まで大事そうに持っていたパソコンは床に落とし、ガシャンと音をたてて小さくバウンドした。


「おまえらさえ……」


ナイフを持つ手を一度振り、空気をビュッと慣らして構え、一人に狙いを定めた。






「キ ク カ ワ」




ドスの利いた私の声に一瞬びくりと肩を震わしたが、一歩前に、三人に向かって歩き始めるより先にキクカワの喉に銀色に輝く鋭い刃を押し付けた。






「……殺されたいの?」



固まる体にだんだんと青ざめる顔。
落ち着きを取り戻していったキクカワはナイフを力なく床に落とした。





「……わるい」