殺してあげる


「加穂留おねがい。私たちなんでもするから」
「私たち?」
「そう、この男の人も、この女の人も、もちろん私も」
「それって、サトミサマだけそう思っているんじゃありませんか? 本当はみーんなまだちゃんとした気持ち、あるかもしれませんよ」
「俺はない!」
「私……も」


「本当に?」


最後の頼み、最後の望みの細い糸が目の前に降りてきたら、無我夢中で掴む。




私だってそうだった。




だから、この三人の気持ちは痛いほど分かる。



「……みなさんは私のこれまでの労力を無駄になさるおつもりなんですか?」
「だだだだだだから、ななななんでもするから」
「待って! この男が言うなんでもには『死ぬこと』は入ってないわよ!」
「そそそそ、そう。サトミさんだっけ? 彼女の言う通りで、死ぬ以外でなんでもするから」


「……勝手なことばかり言うんですね。こうなるグループは久しぶりです」


以前のグループの中には、死ねたと思っていたのにまだ生きていたと、私の胸ぐらをつかんできた奴もいた。

同じことをもう一回経験させるのか! 役立たずな奴め! と、罵声を浴びせてきた奴もいた。


でも、今回のグループはまだ見込みがある。


それだけでも私の気持ちは楽になる。