顔や頭、手や足から流血しているキクカワが体を引き摺りながら、腕の力で浴室の私のところへ逃げ込んできた。
加穂留に殴られ続けたんだろうと思うと切なくなる。
「だ、大丈夫?」
「……あ……で」
「え? なに?」
顔をなんとか近づけようと体を動かすが、体は痙攣していてうまく動いていない。
カキンと金属音がして、そのあとに聞こえる呼吸音。
煙のにおいがしたのは加穂留がタバコを吸ったからだ。
キクカワはずりずりと近づいてきて、私は手首をなんとかほどこうと擦りむける皮膚なんて気にしないで回す。少しでも緩めようと手首を回し続けた。
「サトミ………」
名前を呼ばれてドキンとした。
こんな状況でもそんな状態になれるなんて、
なんて、
なんて……………

