殺してあげる


「…………はい」


キクカワが入ってきたら、裸を見られる。

嫌だ。

とっさに固くなる全身。離れない足を自分の体の方へ引き寄せた。


「くす。ほらね、そんなところがまだまだなんですよ。遊びなれている女の子だとしたら、そんなこと、しないかもしませんよぉ。ほんとの自分でいるのが一番楽なのにね」


「私が遊んでるかどうかなんて、あんたに分からないでしょ。それに、そんな遊んでる風にみられようと思ってるわけじゃない!」


「はいはい、そうですね。そうでしたそうでした。もう面倒くさいからそれでいいですよお。なんでもいいです」

「なにそれ、むかつく!」

「ほらね、すぐ食いつく。サトミサマって、からかいがいがありますよねえ。加穂留、ぜんぜん飽きないなあ。ピュアなんだなあって、そう思います」



腹立つ!

こいつ、まじで腹立つ!

くっそ、ここから出てぶん殴ってやりたい。あのかわいい顔が見られなくなるまで殴りたい。


「きゃー。やだ、怖い顔ぉ。加穂留のこと嫌いって顔してますよぉ。加穂留のこと殴りたいってお顔にかいてありますよお。怖いよお」

「おまえ、ほんとむかつく!」

「はいはい」



けらけら笑い声をあげる加穂留はお腹を抱えたまま立ち上がり、笑いながら浴室から出て行った。その姿さえムカついた。