しかし宮田は、華麗に話をそらした。

どうやって作詞作曲をしているか?

んなの簡単だ。

あんな馬鹿騒ぎを聞いていれば、今の人が求めている歌がわかる。

それに答えるように曲を、詞を作る。

そうしたらあれよあれよと売れるんだ。




俺は宮田との会話を終え、まだ残る弁当の白ご飯に箸を突っ込む。




「そういえば、桜田ってどうして目が赤いの?
カラコン?」




宮田の何気ない質問を聞いた時。

俺の行動が無意識に止まった。




「あ・・・ごめん、聞いちゃいけなかったね」




そんな顔して謝るな。




「いや・・・別に構わない」

「そう・・・」




本当に、構わない。

今すぐ言っても良いほど、どうでも良い。



なのに・・・

俺は何故か






言えなかったんだ・・・・・・。