そのあとも他愛のない話を続けていたら、気がついたら別れ道についていた。 頭にはずっと、藤谷くんの幼なじみの女の子のことがチラついているけど。 「私、こっちなの。 また…明日ね」 「おう。 じゃあな…」 「明日も一緒に帰ろうね!」 その言葉を言ってから、笑顔で手を振って家のある方向に歩き出す。 『一緒に帰ろう』は放課後の約束。 藤谷くんに〝また〟はなくても。 それでも…私には〝また〟はあるから。