------ ---- -- 風に乗るのは良いけれど、前に追いかけたかった君の姿は無い。 偶然にも、棗の大会の日はオフだった。 家で寝転がっていた私を、友達が強引に誘い、会場へと引っ張ってきた。 ・・・・・・ということで、私は棗の泳ぐ姿を、今見ている。 「棗!追い付かれるぞ!! ここから上げろ――――っ!!」 バシャッと水の跳ねる音、そして響く応援の声、鼻を突く塩素の匂い。 彼の見る、蒼の世界。