妖精の心を貴方に

「望美!」

気づかれないように小さく望美の名前を呼んだ。

「俺に近づくなんて、どういう意味だよ?」

その時、望美の声がはっきりと聞こえてきた。

「 意味が分からない。奈津がそんな事望むわけないじゃん。勝手に決めつけないでよ。奈津は、私たちだけの王子様とかでも思ってるの?!」

「の、望美?」

目の前にいる望みは、いつもの望美じゃない気がした。

「 な、奈津様を呼び捨てにするだなんて」

「 呼び捨てにして何が悪いの?」

望美は、鋭く大形を睨みつけていた。