妖精の心を貴方に

【望美】

「と、言うわけ。私がそう強く願った時に、アカツキが生まれたんだよ」

「さすが、晶ですね。お父さんの背中を見て、自分もそんな存在になりたいと思うことは、とても立派なことです」

「いやいや〜、それ程でもないよ。褒めたって何も出ないよ?」

『調子に乗るな』

アカツキは、小さなチョークを取り出すと、再び晶の額めがけて飛ばした。

「いでぇ!」

『先生のおかげで進む道を見つけられた』か……。

私も晶の両親みたいな先生と出会っていたかった。

そんな先生と出会っていたら、私も何かが変わっていたのかな?

「やっぱり、晶はお父ちゃん子なんだね」

「まあね〜」

晶は、少し照れながらそう言った。

「んで、沙弥佳は?」

「私は、普通だよ。もっとたくさんの情報を集めたいと思った時に、カラが生まれたんだ」

やっぱり、みんなれぞれきっかけがあるんだね。