「中一の春から」

「そんなに早くから?!」

「うん」

晶の近くにいた、スーツ姿の黒ぶち眼鏡を掛けた男の子の妖精が話し始める。

『ちゃんとした自己紹介をしていなかったな』

アカツキはなんだか、神奈月君みたいなタイプに見える。

『俺は、勉強の妖精アカツキだ。晶に勉強を教えている』

何それ、超良い妖精じゃん!

「でもさあ、アカツキって一々うるさいんだよ?私が疲れた〜とか言うと、ちっさなチョーク飛ばしてくるからね」

み、見た目によらず怖い……。

『うちは、情報の妖精カラだよ。沙弥佳と一緒に色々な情報集めてまーす』

カラと名乗った女の子は、そう言うと元気よく手を上げた。

じゃあ、沙弥佳の情報集めも捗るわけだ。

「それで、どんな理由で二人は生まれたの?」

「その前に、望美の妖精でしょ」

「あっ!」

すっかり忘れてた。