「あっち〜」

晶はそう言いながら、うちわで扇いでいた。

夏もいよいよ後半へと突入し、ギラギラと辺りを照りつける太陽は、今日も私たちを見守るように頭上に浮かんでいる。

そんな中、私たちのクラスでは転校生が来るという噂が上がっていた。

「転校生ね〜」

「でも、確実にこのクラスですよ」

「沙弥佳がそういうなら、そうなんじゃない」

あの日、私と奈津が一緒に登校した日は、もう周りからの視線が痛かった。

でも、何故かあの時は特に気にならなかった。

奈津も気にならなかったようで、あの日を堺にクラスでもよく話すようになった。

「私たちの知らない間に、いったい何があったのやら」

「良かったじゃないですか?これで、一歩前進したわけだし」

「うん」

それとはまた別に、ここ数日で私は驚いた事が一つある。

それは……。