公園の中を歩いて見て、私は公園の周りの木々を描くことにした。

「ここからにしよう」

近くにあったベンチに座り、木々の下絵を描いていく。

私のスケッチブックはちょっと古くて、中学一年生の頃から使っている物だ。

このスケッチブックには、今まで私が描きたいと思った物が描かれている。

太陽の光に照らされて輝く山々。

赤く実ったりんごの木。

気持ち良さそうに縁側でお昼寝している猫の親子。

どの絵も、私にとっては満足に仕上がった物ばかりだ。

「もうちょっと、こんな感じかな?」

だから、このスケッチブックは私の一番の宝物だ。

「うん、いい感じ」

下絵が仕上がり、今度は影を入れていこうとしたところで。