妖精の心を貴方に

窓の外を見ると、辺りはまだ薄暗かった。

山の方だけ、徐々に明るくなり始めていた。

「そういえば、今何時なんだろ?」

涙を拭いながら、タンスの上に置いてあった目覚まし時計を見る。

「よ、四時!」

さっきの夢のせいで寝るのが怖かった。

また、あの夢を見てしまうと思ったからだ。

いつも起きている時間帯まで、あと二時間くらいある。

どうしようかな……。

「う〜ん」

ルルの寝言が聞こえてきて、ルルの方を見るとーー

「ヘヘ〜ん……、もう食べられないのじゃ〜」

幸せそうに寝ていた。

金平糖でも食べている夢を見ているのかもしれない。

「幸せそうだから、起こすの悪いかな……。よしっ!」

考えた結果、外へ散歩しに行くことに決めた。