「望美、何で母親に敬語使うのじゃ?」

ルルの言葉を聞き、軽く肩が上がった。

「……知らないの?私の中に居たのに」

「知らないのじゃ。私が望美の中に居たとしても、分からない事だってあるのじゃ」

「そうなんだね、じゃあ教えてあげる」

私は、二階にある自分の部屋へと入って、ベッドの上に座った。

「奈々美さんは、私お母さんのお姉さんで、私の親代わりの人なの」

「じゃあ、望美の家族は?」

「……」

私は、拳に力を込めて唇を強く噛んだ。

「ここからは……、ルルに話しても意味がないことだよ。だから聞かないで」

ルルは、何かを悟ったのかそれ以上は聞いてこなかった。

「望美……、ごめん」

「ルルは、悪くないよ」

私は、優しく微笑んで指先でルルの頭を撫でた。

するとルルは、頬を少し赤くさせると笑った。