妖精の心を貴方に

仲良くなれるチャンスなのに、いざこうしてみると、自分じゃ何も出来ない。

何を話せばいいのかも分からない。

こんな事になるんだったら、少しでもサッカーとかの勉強しておけば良かった。

「なぁ、莎々原」

「な、何?」

突然声をかけられたことに驚いて肩が上がる。

いきなり話しかけてくるから、声裏返るかと思った……。

「莎々原って、好きな食べ物とかなに?」

「好きな食べ物?」

と、突然どうしたのかな小早川君?!

「す、好きな食べ物?」

「そう」

「す、好きな食べ物は……」

でも、せっかく小早川君から話しかけてもらえたんだ。

ここはちゃんと答えないと!

「えっと、シチューかな」

「ふーん」