妖精の心を貴方に

「でも、莎々原とこうして話していると、なんか楽しいな」

「…………えっ?」

小早川君の言葉に、思わず目が点になった。

小早川君、私と話していると楽しいって言ったよね?

聞き間違えとかじゃないんだよね?

「どうしたんだ?」

「な、何でもないよ!楽しいなんて言われたの初めてだから、ちょっと驚いただけ」

「ふーん、そっか……」

と、会話はそこで途切れてしまい沈黙感が漂い始める。

く、空気が重い。

小早川君とあまり話したことがなかったから、何が好きで嫌いなのとかは知らない。

ここで変に質問攻めにしても、小早川君を困らせちゃうだけだろうし。

それに、きっと変な女の子と思われちゃう……。

小早川君の好きなサッカーもあまり詳しくは知らないし。

私って情けないな……。