妖精の心を貴方に

(だから、姿を現してよルル!)

奈津は、私の側まで来ると、優しく私を抱きしめてくれた。

私は、奈津の腕の中で声をあげて泣いた。

そんな姿を見て、溜め息をついたヴィーナスは、目の前で手をかざすと、何かを取り出した。

「望美、お前はルルが大事か?」

「…はい!ルルは、大切な存在です」

私がそう答えると、ヴィーナスは優しく笑った。

「今回ルルが消えた責任は、私にもある」

「え?!」

「あの子を、曖昧な存在として生み出してしまった」

「生み出す?」

「元々妖精は、最初から人間の中に居たわけではない。私が人間達の中に妖精の心を届けていたのだ」

「そう、なんだ」

「だから、望美…。お前に新たな心を与える」

その言葉で、私の心臓が高鳴った。

「でも、そんな事してもルルは…」

「大丈夫、ルルはまだ居ます」

どういうこと…。

「私が言う消滅したルルというのは、絵の妖精の方のルルだ。ルルの存在には、もう一つ別の気持ちも込められて生まれてきた」

「えっ?!」