妖精の心を貴方に

……昔の事。

もしかして、ルルは何か知っているのかな?

私の心のそのものだから。

思い出しくない、あの嫌な思い出と感情をーー

「莎々原、行くぞ」

気付くと、いつの間にか小早川君が来ていて呼ばれた。

「待って、今行くから」

でも、昔のことはもう関係ない。

今の私は、昔の私じゃないんだから。

「そういえば俺、あまり莎々原と話したことなかったよな」

「そ、そうだね」

それはそうだよ、話しかけようとしても、周りの目線が痛いし、なにより小早川君のファンの子たちに目を付けられかねないから。