妖精の心を貴方に

私は、記憶の中を探った。

私の部屋、美術室での出来事、サッカーの応援、神社の境内、夏祭りの。

この全ての思い出の中に、いつも私の側に居てくれた人物が居た…。

いや、人物じゃなくて妖精が…。

その妖精の名前は――――。

「ル、ルル…」

そのとき、全部思い出した。

そうだ、あの夏祭り以来から、私はルルの姿を見ていない!

「ルル!ルルは何処に…」

ヴィーナスは、左右に首を振り言う。

「もぅ、お前の中にルルの存在は無いんだ」

「えっ!何で」

ルルが私の中に居ないって、どういうこと?

「ハヤテ、お前が一番知っているじゃろ?ルルが消えた理由を」

私は、奈津の隣に居るハヤテに視線を向ける。

だけど、ハヤテは言いづらそうに見えた。

「ハヤテ教えて!ルルは、何処に行ったの?」