妖精の心を貴方に

でも、奈津と過ごせる時間や、一緒にいられる時間が、前に比べて多くなっていることに、私は嬉しさを感じてる。

そして、季節は秋へと移り変わろうとしていた。

私は今、「絆コンクール」に向けて絵を描いている。

「そういや、絵の方は描けたのか?」

「後もう少しなんだけど、最後がしっくり来ないんだ」

「しっくり来ない?」

「うん、あの絵の真ん中が決まらなくて、ずっと開けたままなんだ」

それと同じく、夏祭りが終わってから、私はずっと違和感を覚えていた。

心に穴が空いたような感じがして、その穴が埋まらないと絵は最後まで描けない気がしている。

「コンクールまでは、まだ時間があるから良いんだけどね」

「そっか、焦らずゆっくり時間をかけて描いていけばいいさ」

その言葉が嬉しくて、私は自然と笑顔になった。

そして、窓の外へ視線を向けたとき、昇降口に誰かが立っているのが見えた。

「?」

立っていたのは、小さな女の子で、私をじっと見ているようだった。