あれから数ヶ月経って、私は美術室に居る。

「 よし」

夕日が教室を照らす中、私は一人絵を描いていた。

「暗くなって来たな、そろそろ帰ろっと」

一旦スケッチブックを机の上におき、帰りの準備をする。

「そうだ、ちょっと本でも借りていこう」

美術室を出て、図書館へと向かう。

「よっ、望美!」

「奈津!」

あの夏祭りの後、皆と別れた私は、残りの夏休みをこの町で過ごした。

たまに奈津のサッカーの試合を史絵と咲楽達と見に行ったり、晶と沙弥佳達と映画を見に行ったり、佳絵羅お姉ちゃんと出かけたり、毎日楽しかった。

「これから、何処に行くんだ?」

「ちょっと図書館にね、咲楽に勧められた本読み終わったから、返しに行こうと思ってさ」

「そっか、俺も行くよ。望美と帰りたいし」

「う、うん」

夏休みが開けて、私と奈津が付き合うことになった話を、皆にしたら凄い驚かれた。

神無月君や夜城君たちなんて、奈津に問いただしていたし。