妖精の心を貴方に

夢咲の目から、沢山の涙が溢れる。

そして、夢咲は泣きながら言った。

「本当に…、また望美の友達になっても良いの?」

「うん、お互いの過去は消せないかもしれない。だけど、一緒に向き合って行こう」

私は手を差し出し、夢咲は私の手を掴んだ。

「これで、一件落着か…」

「そうだな」

その後、私は元クラスメイトの人達と話した。

色んなことを聞かれたけど、皆が私をどう思っていたのかを、たくさん知ることができた。

「ねぇ望美ちゃん…、こっちには戻って来ないの?」

「え…」

紀葉が、私にそう聞いてきた。

「こっちには、戻って来るつもりはないよ。あっちにも友達居るし、私の今の居場所は、ここじゃなくてあっちなの」

「そっか…」

「でも、また会いに来るよ。紀葉や啓太達に」

二人の名前を呼んだとき、私は本当に皆と向き合えたんだと思えた。