場所を移した私達は、社の裏へと来ていた。

ここに居ても、祭りの音楽や声は聞こえてくる。

「………」

「………」

私は、悩んでいた。

どうやって、話を切り出そうか、何て話そうとか、そんなことばかり考えているせいで、話が進まない。

「めん…」

「え?」

少し離れた位置に座っている夢咲が、話し出す。

「ごめんね…、望美に私は…、酷い事ばかりした」

「…そうだね」

「啓太達から少し聞いてるかもしれないけど、望美が転校した後も、私は虐めを続けてた」

「啓太達から、聞いたよ…」

何で夢咲は、私以外の子を虐めの対象にしたんだろう?

「望美の後の虐めの子たちは、誰でも良かったんだ…」

「どういうこと?!」

「望美の親が死んだあの日さ、望美の両親を引き殺したの、私のお兄ちゃんなんだ」

「えっ!」

夢咲のお兄さんが、私の両親を殺した?