「何だよ聖夜…」

「別に、何でもないけど」

そして、また二人の間で火花が散る。

「えっと…」

これって、私がどちらかを選ぶんじゃ…。

「おーい、啓太と紀葉!頼まれてた差し入れ持って来たよ」

その声を聞いたとき、私の体は震えた。

「おっ、お客さんだね……?」

その子と私の視線が合ったとき、私の中では昔の事がフラッシュバックしていた。

「…夢咲…」

夢咲の名前を呼んだとき、夢咲は驚いて目を見開いた。

「の、ぞみ…?」

夢咲は、私の名前を呼ぶと持っていた差し入れ袋を落とした。

「夢咲、望美が俺達に会いに来たんだ」

「えっ…、それってつまり、私達と話す気になったってこと?」

私は、奈津の浴衣の袖を掴んで、軽く頷いた。