やばい、少し苦笑気味だったかもしれない。

「そっか、なら早く帰った方がいいよ」

「そ、そうだね。帰るね」

ちょっとだけ、一緒に帰れるかと思ったけど、そう簡単には行きませんよね。

残念に思いつつ、その場から離れようとした時、不意に小早川君に腕を掴まれた。

「え!?」

「あっ、その……。やっぱり、女の子一人で帰らせるわけには行かないと思ってさ、ちょっと待っててよ」

「……えっ!?」

「莎々原を家まで送るよ」

今の言葉は嘘じゃないんだよね?

小早川君と一緒に帰れるんだよね?!

「着替えてくるから、ここで待ってて」

「う、うん!」

小早川君は、私にそう言うと部室の方へと走っていった。