「もぅ、離すなよ…」

聖夜は、手を離すと私を軽く奈津の近くへと押す。

「分かってるさ…」

奈津は、小さくそう呟いた。

「…望美?」

「……!!」

直ぐ隣で、聞き覚えのある声が聞こえた。

私達は、その声がした方へと視線を向けた。

「……。啓太…」

そこには、浴衣姿の啓太と紀葉たちが居た。

それに、数名の元クラスメイト達が居た。

「………」

「………」

私達の間で、沈黙感が漂う。

「ここって、なんの屋台?」

先に話しかけたのは聖夜だった。

「えっと、ここは輪投げと射的の屋台だよ」

「ふ〜ん、両方やっているのか」

聖夜は凄いな、皆に積極的に話しかけに行って。