妖精の心を貴方に

「良いよ聖夜もついて来ても」

「おっ!」

「お、おい!望美?!」

何となくだけど、聖夜も居てくれれば心強いかもしれない。

奈津は、納得いかないようだったけど、握っていた手に少しだけ力を入れてくれた。

「だけど、俺は見てるだけだ。手助けするのは奈津、お前の役目だ」

「そんなの分かってるさ」

「ありがとう、二人とも」

聖夜と奈津は、照れたように自分の髪をわしゃわしゃとかいた。

「それで、どの屋台をやっているんだ?」

「それは…、分らないけど、探すしかないかも」

啓太達から聞いてるのは、屋台をやるという事だけ。

何の屋台をやってるのかは、探してみるしかない。

「屋台の多いところは、この反対方向の道だ」

「良く知ってるな」

「毎年来てるからな、それぐらい分かるさ」

「じゃぁ、そっちの方に行ってみよ」

私達は、反対方向の道へと歩き出し、たくさんの屋台が並ぶ所へと入っていく。